お役立ちコラム

効果的な人材採用を可能にする求人広告の作り方

総務省が毎年公開している情報通信白書(平成29年版)によると、生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに年々減少。2025年には約1,600万人減の7,085万人になると推測されています。現状においても、育児や介護を優先するといった働き方の多様化、さらに業務によっては高度化が進んでいることから、企業としては人材を採用することが非常に難しい状況と言えるかもしれません。

より効果的に良い人材を採用するために、重要なのが求人広告の内容です。さまざまな事情で人材採用が難しくなっている今、大きな効果を生み出すための求人広告の作り方について考えてみましょう。

人材採用に効果を発揮しない求人広告とは?

以前であれば、新聞や求人雑誌などの紙媒体が中心であった求人広告。現在ではインターネットの求人サイトを利用することも当たり前になっています。しかし、求人広告を掲載する媒体が増えたにもかかわらず、効果的な人材採用が実現しないケースも珍しくありません。その理由として、次のようなことが考えられます。

求人広告を出す媒体が自社に合っていない

求人媒体にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴が異なります。利用登録者層も違うことから、媒体によっては、自社が求める人材にアプローチできないこともあり得ます。特にネット媒体では、雇用形態、職種、年齢層、地域などによって、それぞれに適した求人サイトがあり、その選択を間違えてしまうと効果的な人材採用は難しくなります。

そもそも求職者に発見されていない

紙媒体での求人広告は、雇用形態や職種など一定のカテゴリーに分けられて掲載されるのが一般的です。一方でWEB媒体では、細かい条件を指定して検索ができるため、検索されやすいワードを盛り込んでいないとHIT率が低く、たとえ魅力的な会社でも求人広告そのものが発見される可能性が低くなってしまいます。

求職者が知りたい情報や意欲が高まる内容が掲載されていない

求職者が魅力的に感じる内容を盛り込んだ広告文を作成し、発見されたとしても、まだ課題が残ります。目に留まる文言などを意識して広告文を作成しても、肝心の広告文に求職者の知りたい情報がなかったり、ここで働きたいと思うような意欲が高まる内容ではなかったりすれば、求職者はほかの募集企業へ興味が移ってしまうでしょう。

求めている人材が集まる求人広告とは?

では、求めている人材が集まるための求人広告とはどういったものなのでしょうか。求人広告を作るうえで意識しておきたい重要な4つのポイントを紹介します。

1.   求めている人材を明確にする

求めている人材が集まる求人広告を作成するには、まず自社が求める人材を明確にする必要があります。例えば、「エンジニア」を採用するといっても、システム系、サーバー系、ネットワーク系、データベース系、ソフトウエア系、アプリケーション系など、その種類は多岐にわたります。また、出社が必須なのか、在宅勤務でもよいのか、土日出勤や転勤の有無といった勤務形態をはじめ、正社員採用か、契約社員採用なのかでも条件が異なるでしょう。そのほか、年収、賞与、年間休日、福利厚生といった待遇面や求める人材像などを検討しながら、どういった人材を募集したいのかを明確にしましょう。

2.   求めている人材が集まるような媒体を選定する

求めている人材が明確になったら、次はその人材が主に利用する媒体への掲載を検討します。媒体選びのポイントは次のとおりです。

  • 紙媒体とWEB媒体で分けて考えない
    若い人材を求めているからネット媒体、地域密着型で幅広く募集したいから紙媒体……などと限定して考えてしまうと、求職者の目にとまる可能性も狭まってしまいます。より効果的なアプローチ方法を検討するとともに、場合によっては併用することも検討してみましょう。
  • 各求人媒体の調査をする
    各求人媒体の特徴を調査し、求めている人材が利用する媒体を見極めることも大切です。職種、雇用形態、新卒、中途など条件に一致する媒体を選びましょう。特にネット媒体は特定のニーズに絞り込んだ求人サイトも多いので、事前のチェックが必要です。
  • 競合他社がどの媒体に広告を出稿しているかを調査する
    競合となる企業がどの媒体に広告を出稿しているかを調査するのも、重要なポイントのひとつです。多くの競合が広告を出稿している求人サイトは、求めている人材が集まっている媒体である可能性が高いと言えます。

求人媒体の選び方について、さらに詳しく知りたい方は、「採用活動において必要不可欠な求人媒体。選ぶポイントとは?」もご確認ください

 

3.   STP、USPを確定する

求めている人材を集める求人広告を作成するには、STP、USPの確定も意識してみましょう。

STPとは、「Segmentation(市場細分化)」、「Targeting(ターゲット設定)」、「Positioning(ポジショニング設定)」の頭文字を取ったもので、ターゲットに対して競合と差別化しながら、競争優位になるポイントを設定することを意味します。また、USPは「Unique Selling Proposition」の略で、自社だけが顧客に対して提示できる売りを指しています。

つまり、STP分析によって自社の立ち位置と求める人材を明確にし、そのなかで求職者に対し、USP分析による自社だけのアピールポイントを打ち出すことで、より効果的な求人広告になることが期待できます。

4.   求人媒体で勝算のある訴求ポイントを意識した広告文を作成する

求める人材を明確化し、利用する媒体を選び、さらにはSTP、USPの確定をすることで、より具体的な広告を作成できます。あとは、広告文の内容です。具体的には次のポイントを意識して作成してみましょう。

  • 自社が持つ採用上の強みを生かした訴求ポイントを記載する
    労働条件、職場環境、福利厚生など、競合の求人内容と比較し、採用において自社が競合よりも強い部分を訴求します。
  • 求職者が不安を抱くようなことがないかを洗い出し、広告文の中に記載する
    求人広告を見て少しでも不安を抱くようなことがあれば、求職者は競合に流れてしまう可能性が高まります。年収や賞与などの収入面はもちろん、社風や平均的な残業時間、業務内容、資本金、年商、取引先、有給休暇取得率など、競合の広告も参考にしつつ、できる限りの情報を記載しましょう。
    また、業務内容によって資格取得が必須な職を求めている場合、資格取得に対してどういった支援を行うのかを記載する必要があるでしょう。不安点に加え、求めている人材が何を注視しているかを把握し、それに適応した広告文にすることが重要です。例えばエンジニアの求人を行う場合、どういった開発環境で仕事ができるのか、どんなチーム構成なのかといった細部まで提示することで、求職者は職場環境をイメージしやすく、安心感を得られます。
  • 自社が求めている人材にひびかない広告文になっていないかを確認する
    求職者のニーズを考慮した広告文を検討することも、採用成功につながります。例えば、収入や資本金を重視する求職者が知りたいのは、金額ではなく「安定性」かもしれません。そうした場合、「生活が安定しやすい」というアピールができれば、より相手にひびく広告文になるでしょう。
    逆に、求職者のニーズを把握しないまま広告文を作成してしまうと、相手にひびかず、ふるい落としの対象になってしまうかもしれません。前項での一般的な不安点に加え、求めている人材が何を注視しているかを把握し、それに適応した広告文にすることが重要です。

以上、4つのポイントを踏まえることで、ターゲットにアプローチできる求人広告につながります。しかし、通常の業務を行いながら、こうした採用活動を進めるのは容易ではありません。採用活動における負担をできるだけ軽減するためには、求人広告代理店を利用するのもひとつの手です。求人広告代理店なら、求める人材像の明確化をサポートし、採用ターゲットが集まる最適な媒体の選択から、さらにはSTP、USPを意識した広告の提案までをトータルで対応してくれるため、企業側の手間と時間が大きく軽減されます。

求人広告を作る際の注意点

求人広告のアピールポイントばかりに気を取られていると、必須項目が漏れてしまう可能性があります。求人広告を作るうえで知っておくべき職業安定法、男女雇用機会均等法、最低賃金法、派遣法などから、記載しなければならない項目と、記載してはいけない項目について確認しておきましょう。

記載しなければならない項目

職業安定法や、最低賃金法、派遣法などにより、職場環境も含め下記の項目について、可能な限り具体的かつ詳細に明示する必要があります。

  • 業務内容
  • 契約期間・試用期間(ある場合のみ)
  • 就業場所
  • 就業時間・休息時間・休日・時間外労働
    (裁量労働制を採用している場合は、「企画業務型裁量労働制により、○時間働いたものと見なされます」といった記載が必要)
  • 賃金
    (試用期間中の金額が違う場合は試用期間中の賃金も明示。また、時間外労働の有無にかかわらず一定の手当を支給する制度「固定残業代」を採用する場合は、手当を除いた基本給、手当(時間外労働の有無にかかわらず○時間分の時間外手当として△△円を支給)、○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給の3つを明示)
  • 加入保険
  • 募集者の氏名または名称
  • 派遣労働者として雇用する場合は雇用形態として「派遣労働者」と明示

記載してはならない禁止事項

男女雇用機会均等法などにより、記載してはならない事項もあります。

  • 男性のみもしくは女性のみ募集、また性差によって採用条件を変えることなどの性差別表現
  • 年齢制限(ただし、例外事由を除く)
  • 出身地や家族構成、思想信条に関わる事項など業務を行ううえで適性と能力に関係ない事柄に対する差別
  • 虚偽、誇大な内容

事前の計画が求人広告の効果を左右する

人材採用は、企業経営に大きな影響を及ぼすものです。採用が失敗すれば、人的・資金的コストが無駄になってしまいます。だからこそ、採用後のミスマッチが起こらないよう、しっかりと計画を立てた求人広告作りが欠かせません。

自社が提示できる情報と求職者が求めていること、そして、競合との差別化で優位性をアピールできるポイントを明確にし、よりターゲットにひびきやすい広告を作ることが大切です。

全国対応の「採用の窓口」では、これまでの求人広告作成の経験と実績から、客観的な視点で御社のSTP、USPを見いだし、企業が抱える求人問題を解決するためのマッチングや媒体選択に貢献します。例えば、待遇面での訴求ポイントが少ない老舗メーカーでの営業採用においても、新たな切り口を提案したことで採用に成功。激戦のエンジニア領域においても、お客様の会社の特長をいかした提案で大量採用に導きました。

徹底した価格追求で低コストでの採用計画をサポートし、専任担当者によるフォローも充実。幅広い支援領域で複数のメディアを一括管理し、採用担当者様のご負担を軽減します。無料相談での情報提供を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

「採用の窓口」はコチラ

参照サイト:

関連記事