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新卒採用と中途採用のメリット・デメリット。その違いとは?

新卒採用と中途採用では、採用者に期待する役割が異なります。採用活動においても、新卒採用か中途採用のどちらにするかで、採用計画全体の期間や内容が大きく変わります。新卒採用と中途採用について、それぞれのメリットとデメリットを確認しながら、両者の違いを見ていきましょう。

新卒採用のメリット・デメリット

まずは新卒採用のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

新卒採用は、人材の将来性や潜在的な能力を評価する「ポテンシャル採用」であり、優秀な人材を低コストで採用できる可能性を秘めています。新卒者は、職務経験がないことから企業文化を受け入れやすく、育て方によっては愛社精神の強いコア人材に育てることが可能です。また、型にはまらない柔軟性や行動力が期待でき、新規事業の立ち上げや現状の打破において思わぬ効果を発揮する可能性もあるでしょう。

また、新卒採用を定期的に行うことで、従業員の人口ピラミッドをバランスよく構成できるのも利点のひとつ。既存の従業員は年月がたつとともに年齢が上がりますが、新卒採用によって若い世代を採用すれば、幅広い年齢層の従業員構成が可能です。

デメリット

前述のとおり、新卒は低コストで採用できるというメリットがあります。一方で、新卒の採用期間は1年間と長く、内定を出してから入社までに半年以上の保留期間が生じます。入社日まで関係維持のフォローアップを継続する必要があるため、中途採用では発生しないコストがかかるのが難点です。また、職務経験がないため即戦力として期待できず、教育コストも高くなります。

加えて、新卒者は転職に対する抵抗感が低い傾向があることから、早期離職を予防する対策も必要でしょう。社会人になりたてのころは、ものごとへの取り組み方や捉え方にギャップが生じやすく、仕事にやりがいを見いだすことができない人材もでてきます。離職につながらないよう、教育担当者による入念な教育とフォローアップが求められます。

中途採用のメリット・デメリット

続いて、中途採用のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

中途採用は、即戦力として期待できる人材を採用できる点が大きなメリットです。経験によっては、管理職として迎え入れることも可能です。また、採用期間が1年間と長い新卒採用に比べ、中途採用は短期間で人材を確保できるのも魅力でしょう。場合によっては、1ヶ月程度で内定まで完了できるため、人材確保を急ぐ際にも有効です。異業種からの採用であっても、社会人としての基本常識は備わっているため、研修費を抑えられます。そのうえ、同業種出身では思いつかないようなアイデアや意見が提案される可能性もあります。

同業種からの採用であれば、すでに業界の専門知識を有しているので、研修も最小限ですむでしょう。自社にはない知識やノウハウを共有できる可能性もあり、活躍が期待できます。

デメリット

中途採用のメリットである職務経験は、ときにデメリットになるケースがあります。それまでの職務経歴によって自分のやり方に固執したり、社風になじめなかったりして、成果を発揮できないこともあるでしょう。また、「飽きっぽさ」や「好奇心旺盛」な性格によって転職を繰り返してきた人材であれば、長期的な定着が難しい可能性があるので注意が必要です。中途採用は新卒採用と比べて給与水準が高くなるため、ミスマッチによる早期離職は、会社へ大きなダメージを与えかねません。

加えて、目先の組織課題にばかりとらわれて採用活動を進めてしまうと、組織の年齢バランスを崩すリスクがあります。中途採用では、ミドル層やベテラン層に人材が集中する傾向があることから、即戦力を求めていると、年配者ばかりになってしまう可能性もあるでしょう。逆に、ポテンシャル採用として第二新卒採用を増やせば、管理・マネジメント経験のない若手人材が集まってしまうといった、いびつな組織構成になる可能性も。組織課題だけでなく、バランスのとれた従業員の人口ピラミッドになるような採用計画を立てる必要があるでしょう。

新卒採用と中途採用の違い。採用活動を失敗しないために

新卒採用と中途採用のメリット・デメリットから、両者の違いを確認しました。では、違いを理解しながら、採用活動を成功に導くにはどうすればよいのでしょうか。あらためて具体的な相違点を確認しながら、よりよいバランスを考えてみましょう。

費用面(相場)

  • 新卒採用:採用単価が中途採用全体平均と比較しても、1人あたり10万円以上安いとされる。
  • 中途採用:業種や年齢、業界により採用コストが異なるため、一概に採用単価を算出することができないが、場合によっては150円万以上のコストがかかる可能性がある。
  • 新卒採用:職務経験がまったくないことから、一般的なビジネスマナーといった基礎教育からすべて行う必要がある。
  • 中途採用:採用コストが高い一方で、教育コストが抑えられる。社内規定や業務の進め方に関する研修は必要だが、一般的なビジネスマナーのような基礎教育まで行う手厚い教育は不要。
  • 新卒採用:即戦力ではなく、基本的には将来性を期待する。企業の将来や組織戦略を強化するのであれば有用。また、将来に向けて入念な教育を行うことで、企業に対する理解が深い、自社に特化した人材の育成が可能。
  • 中途採用:即戦力として期待できる。企業にとって直近の目標である「売上向上」や「事業戦略の実現」などをめざす際に有効。
  • 新卒採用:採用スケジュールで見ると長い期間をかける通年採用だが、4月の一斉入社までの内定期間があり、すぐに働ける人材の確保としては適さない。
  • 中途採用:短い期間で必要な人材を探すスポット採用。採用者の入社準備さえ整えばすぐに勤務開始できる。

採用後の研修面

将来性

採用期間と勤務開始時期

採用活動を失敗しないためには

新卒採用と中途採用では、採用者に期待する役割や目的が異なります。採用活動を成功させるためには、求める人物像を明確にすることはもちろん、採用を避けたい人物像の指針も決めて、採用活動の方向性を定めるとよいでしょう。そのうえで、最適な求人媒体を選択し、求職者をひきつける求人広告をつくることが大切です。

求職者に興味を持ってもらうためには、企業の魅力や強みをしっかりアピールするための土台が必要です。経営者の想いやビジョンを伝えたり、社内の雰囲気が伝わる画像や動画を取り入れたりしながら、求める人材の心に届く求人広告を作成しましょう。同時に、求める人材の目に留まるよう、利用者層が異なる求人媒体のなかから最適な媒体を選ぶのがポイントです。

また、最終の振り分けを行う面接官には、優秀な人材を見抜く能力を育成するため研修を実施することも重要です。内定が決まった人材には、その後のフォローアップもしっかり行いましょう。

特に新卒採用の場合には、内定辞退を防止するためにも、内定者との定期的なコミュニケーションが欠かせません。採用計画を立てる際にはフォローアップも活動の一部ととらえ、接触するタイミングや連絡フローを確定しておくとよいでしょう。

新卒採用と中途採用でバランスのとれた採用活動を

新卒採用と中途採用のどちらか一方にだけ力を入れ続けると、人口ピラミッドの崩壊を招く可能性があるため、バランスのとれた採用計画が必要です。しかし、自社内に採用ノウハウがなければ、どのような採用活動が有効か、どのようなスケジュールを立てればよいかを考えるだけでも、手間や時間がかかるかもしれません。

採用計画で迷ったときは、全国対応の「採用の窓口」にご相談ください。無料での情報提供のほか、豊富な実績にもとづき、さまざまなノウハウを提供しています。ひとつの窓口で、新卒採用も中卒採用も一元管理が可能です。専門家のスキルを活用し、効率の良い採用活動を進めましょう。

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