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新卒やキャリアとは異なる第二新卒。その特徴は?

企業の採用ターゲットには、新卒やキャリア(実務経験者)のほかに「第二新卒」があります。第二新卒とは、大学卒業後、一度は就職をしたものの1~3年以内の早期離職により転職活動を行う若手求職者であり、可能性を秘めた人材層といえます。第二新卒の特徴とともに、採用のメリットとデメリット、採用手法についてお伝えします。

第二新卒の特徴と背景

第二新卒の採用に積極的な企業は多いです。理由のひとつに、新卒同様にポテンシャルが期待できる点が挙げられます。第二新卒は社会経験期間が短いことから、柔軟性があり、企業風土に染まりやすく、能力開発の余地が大きいと考えられているからです。

新卒採用では、社会人経験がないためゼロから教育を行います。しかし、第二新卒はわずかでも社会人経験があり、すでに基礎的なビジネス研修を受けていることが多く、研修コストを下げられます。社会人としての常識や一定レベルのビジネススキルを期待できる人材です。

キャリア採用では、実務経験があるがゆえにこれまでのやり方に固執し、新しい社風や仕事の進め方になじめないケースが見受けられます。一方で、第二新卒は、キャリアほどの社会経験がないため、確固とした考え方にとらわれている人材は少ないでしょう。つまり、第二新卒は、キャリアと新卒が抱えるそれぞれのデメリットを補う層であり、ロイヤルティの高い人材に育てられるという魅力があるのです。

加えて、一度でも転職を経た第二新卒は、新卒と比べて、転職先選びに対して慎重になりやすいものです。そのため、十分に企業研究を行ったうえで応募してくるため、ミスマッチを軽減できる可能性も高まります。第二新卒が転職をする理由は、「キャリアアップ」や「現在の仕事への不満からの脱出」などです。目標を定め、ビジネスへの意識が強く、モチベーションも高い傾向です。

「マイナビ転職 中途採用状況調査(2016年実施)」によると、調査対象企業の6割が「積極的」に採用を検討していると回答しています。企業が第二新卒の採用に積極的な理由は、新卒採用にも起因しています。激化する新卒採用で優秀な学生を確保することが難しい今、予定していた人数を採用できない企業も増えていることでしょう。また、新卒採用後に早期退職されてしまうケースもあります。新卒採用にかかるコストを考えても、キャリアよりも採用直後の給与負担が低く、研修コストを軽減できる第二新卒への期待が高まるのではないでしょうか。

企業にとって第二新卒を採用するメリット・デメリット

あらためて、企業が第二新卒を採用するメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

第二新卒のメリットは、キャリアと同様に社会人経験があると同時に、新卒と同レベルでの初々しさや、やる気がある点が挙げられます。一度でも厳しい他社の入社試験を突破し、短期間でも社会人経験があることから、一定レベル以上の社会常識やビジネススキルを有しています。前述したように、短期間であっても社会に出た経験を生かして転職活動をする意欲があり、確かな理由を持って自発的に応募している人材は期待が持てるでしょう。キャリアのようなベテランと違い、新たな職場で企業になじむ努力をし、社風や企業独自のルールを素直に受け入れる柔軟性があります。

採用時期が新卒採用とかさならないこともメリットのひとつ。長期化する新卒採用の手間や、内定後のフォローアップが不要なため、採用担当者の負担も軽減されるでしょう。

デメリット

新卒後、短期間での早期離職は裏を返せば忍耐力がない可能性もあり、転職先においても早期離職が発生するリスクは否めません。前職でなぜ離職をすることになったのか、その経緯や理由をしっかりヒアリングする必要があるでしょう。新卒同様に、企業として期待する将来の人材像と照らし合わせ、本人の意向をくむような教育を実施し、早期離職のリスクを低減しなければいけません。前職での「研修に対する姿勢」や「仕事で納めた成果」をヒアリングすることで、社会人としての姿勢や考え方を確認しておくことも大切です。また、社会人経験が短いので、キャリアに比べると経験やスキルが少なく、即戦力としての可能性が低い点もデメリットといえます。新卒ほどではないにせよ、十分な教育体制を構築しておく必要があります。

第二新卒に対して有効な採用活動時期とその手法

第二新卒の活躍を期待するとしても、採用活動がうまくいかなければ人材も集まりません。第二新卒への採用活動を行う際、有効な活動時期と採用手法を確認しながら進めましょう。

第二新卒の求職活動が活発になる時期

第二新卒の求職活動は、求人数が増える1~3月と7~9月に増える傾向にあります。

1~3月は求職者が4月入社をめざして活動しており、企業にとっても辞退した内定者の補充や定年退職などで欠員が出やすい時期です。4月入社となれば新卒者と一緒に社内研修を実施できるため、新たな研修を開催する手間やコストが削減できます。新卒内定者の最終対応に追われる時期ではありますが、この時期に第二新卒の求人を行うと応募数が集まりやすいでしょう。年度初めの入社であれば、業務の流れも伝えやすいため、企業側にとっても有利です。

7~9月は10月入社を希望する求職者が多い時期です。企業にとって10月は異動や転勤で欠員が出ることが多く、また夏ボーナスを受け取り後に退職する社員がいることから、人材補充を検討する時期です。一般的に企業の下半期開始は10月で、4月入社同様に、社員研修を一度に行うことができます。この時期に第二新卒に向けた採用活動を始める場合には、決算報告といった定期業務と同時進行で行う可能性があります。できるだけ早い段階で採用計画を立てておくことが大切です。

第二新卒獲得に効果的な採用手法とは

求人広告媒体には、特定の分野に強みを持つところが増えています。「専門的な職種に強い」、「女性の転職に特化している」など、各社の特性を理解して、自社に合う求人媒体を選びましょう。なかには、第二新卒に特化した情報の提供や、第二新卒を専門とする合同説明会を企画するところもあり、ターゲットを絞った状態で採用活動ができるのが魅力です。まずは、転職希望の第二新卒が注目しやすい求人広告媒体を選び、効果的な採用計画を立てるとよいでしょう。

ただし、そうしたサービスを利用するだけでは、期待する成果が出るとは限りません。自社の求めるターゲット層が利用する求人広告媒体を見極め、魅力ある求人広告を掲載することが大切です。「第二新卒歓迎」と記載して、過去に採用した第二新卒の社員インタビューを掲載したり、企業の魅力が伝わるキャッチコピーや画像を入れたりするとよいでしょう。求人広告選びや広告作成に悩んだら、求人広告代理店に相談するのもおすすめです。媒体ごとの情報を持っている代理店では、低コストでより良い採用プランの提案を受けられます。

そのほか、大学のキャリアセンターを利用するのもよいでしょう。キャリアセンターは基本的に在学生向けのサービスですが、卒業後3年間程度は、卒業者の利用も可能です。第二新卒者のなかには就職先の情報を求め母校に相談するケースもあり、隠れた人材を発掘できる可能性があります。キャリアセンターとよい関係を築きながら、第二新卒を受け入れていることを伝えておくとよいでしょう。

加えて、検討したいのがリファラル採用です。転職を考えている友人を持つ若手社員がいる場合もあります。社員に求人内容を共有し、紹介を受けるのもひとつの手です。リファラㇽ採用は、人柄やスキルといった面を、ある程度事前に把握できるので、面接にかかる時間や手間が軽減されます。

第二新卒だからこそのメリットを活用しよう

人材不足に悩む企業にとって、第二新卒は、新卒とキャリア同様、企業を安定経営するために有効な人材といえます。しかし、やみくもに求人を行ってもコストが無駄になる可能性もあるでしょう。近年は第二新卒をメインに扱う求人サービスも増えていますが、最適な人材を求めるためにも媒体選びは慎重に行いたいところ。
採用の窓口」では、ひとつの窓口で全国対応が可能です。無料で情報提供を行いながら、豊富な実績にもとづくさまざまなノウハウを提供しています。新卒やキャリアだけでなく、第二新卒の採用においても、効果的な求人広告プランを提案します。第二新卒の採用でバランスのとれた組織構成をめざし、人材不足を解消しましょう。

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