正社員と契約社員の違いとは?採用面でのメリット・デメリットを解説
人手不足の解消や人件費削減などを目的として、積極的に契約社員を採用する企業もあります。
人材採用において、正社員と契約社員のどちらを雇用すべきなのでしょうか。自社のニーズに合った人材を採用するため、採用担当者は正社員と契約社員の違いを知っておくことが大切です。
この記事では、企業目線での正社員と契約社員の違いや、契約社員から正社員への転換が必要になる「5年ルール」、採用面でのメリット・デメリットについて解説します。
正社員と契約社員の違いとは?採用担当者の目線で解説!
非正規社員のなかでも、雇用期間に定めがある直接雇用の労働者を「契約社員」と呼びます。採用面で、正社員と契約社員にはどのような違いがあるのでしょうか。
採用担当者の目線で正社員と契約社員の違いをわかりやすく表にまとめました。[注1]
正社員は契約社員よりも平均給与水準が高く、賞与・手当の支給額も多くなる傾向にあります。ただし、2020年4月にパートタイム・有期雇用労働法が施行され、同一労働同一賃金が制度化された点に注意が必要です。職務の内容や責任の範囲が同じ場合は、正社員と契約社員で不合理な待遇差を設けることはできません。
契約社員は正社員への転換が必要?「5年ルール」に注意しよう
2020年4月にパートタイム・有期雇用労働法が施行され、契約社員をふくむ有期雇用社員を正社員へ転換するための制度を設けることが義務化されました。
ここでは、正社員登用制度の内容や、労働契約法上の「5年ルール」について説明します。
正社員登用制度とは?「通常の労働者への転換」が義務化!
正社員登用制度とは、契約社員などの有期雇用労働者が一定の条件を満たした場合、正社員への転換をおこなうための制度です。パートタイム・有期雇用労働法13条には次のような規定があります。[注2]
“事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。”
“三 一定の資格を有する短時間・有期雇用労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けること。”
【引用】e-Gov:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
これまで、正社員登用制度を設けるかどうかは企業の裁量に任されていました。パートタイム・有期雇用労働法の成立により、正社員登用試験を導入するなど、企業は契約社員を正社員へ転換するための措置を設け、契約社員をふくむ有期雇用労働者に周知する必要があります。
労働契約法18条の「5年ルール」にも要注意
パートタイム・有期雇用労働法とは別に、労働契約法18条にも契約社員の正社員への転換に関する取り決めがあります。[注3]
いわゆる「5年ルール」「無期転換ルール」と呼ばれているものです。
“同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。”
【引用】e-Gov:労働契約法
つまり、契約社員の雇用期間の合計が5年を超える場合、契約社員は有期雇用契約を無期雇用契約に転換する権利を得ます。
採用面での正社員と契約社員のメリット・デメリットを比較
正社員と契約社員を雇い入れるメリット・デメリットはなんでしょうか。採用担当者の目線で、正社員と契約社員のメリット・デメリットを表にまとめました。
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2021年12月に実施した顧客アンケートでは、人事・採用担当者からの顧客満足度が97.8%でした。有期雇用労働者から正社員まで、専任の担当者が幅広い採用ニーズにお応えします。
【まとめ】正社員と契約社員の違いを知り、自社に合った人材の採用を!
正社員と契約社員には、採用面でそれぞれメリットやデメリットがあります。自社のニーズに合った人材を採用するため、正社員と契約社員の違いを知りましょう。
また、契約社員を採用するときは、パートタイム・有期雇用労働法13条の「通常の労働者への転換」や労働契約法18条の「5年ルール」に注意が必要です。
[注1] 厚生労働省:令和2年賃金構造基本統計調査
[注2] e-Gov:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
[注3] e-Gov:労働契約法