採用代行と人材紹介の違いとは?採用課題に沿った選択方法を解説
採用手法の多様化で、採用担当者の負担も増えています。そこで最近注目されているのが、採用代行や人材紹介などのサービスです。「採用代行と人材紹介の違いがわからない」」「自社でどちらを採用すべきか知りたい」そんな方も多いでしょう。
今回は、採用代行と人材紹介の違いを紹介し、サービスを選択する方法を解説します。採用活動に課題を感じてる採用担当者はぜひご覧ください。
採用代行と人材紹介の3つの違い
まず、採用代行と人材紹介の違いを3つの観点から紹介します。
- 提供するサービス内容
- 手数料などの料金設定
- 代行や紹介での必要な手続き
人材採用に関わる手法ですが、それぞれに特色があります。違いを正しく理解するためにご覧ください。
1 .提供するサービス内容
採用代行と人材紹介について、提供するサービス内容の違いを見てみましょう。
- 採用代行は採用に関する業務の代行を請け負う
- 人材紹介は企業の求人内容に対し適した人材を紹介する
採用代行ではスカウトを代行したり、求人に対する応募者の管理や面接・採用まで、一気通貫で対応するパターンもあります。採用業務の代行なので、人材を自ら紹介しません。
人材紹介では企業が出している求人に対し、最適な方を紹介します。候補者のスクリーニング業務を行うこともあるでしょう。採用代行と異なる点は面接や採用は企業側が実施し、人材紹介会社では行わないところです。
2 .手数料などの料金設定
続いて採用代行と人材紹介の料金設定の違いを見てみましょう。
- 採用代行は主な料金体系は従量課金型か月額固定型のいずれかしかしない
- 人材紹介は人材の採用が確定した時点で手数料を支払う仕組み
採用代行は、請け負う業務内容に応じて料金を決定します。オプションごとに料金が追加になる従量課金か、あらかじめ業務内容を決めて月額固定での支払いをするかです。
人材紹介は、人材の採用が成立した時点で企業側が手数料の支払いをします。大体の目安は給与の20~30%が相場です。
3 .代行や紹介での必要な手続き
採用代行と人材紹介で事前に必要な手続きの違いを確認しましょう。採用代行は、委託者と採用代行会社双方で許認可が必要となります。採用業務をアウトソーシングするには、厚生労働大臣か管轄の労働局長から許可を得なければなりません。これは、職業安定法の第36条「委託募集」に該当します。
人材紹介を行う人材紹介会社は、厚生労働大臣の許可が必要です。これは、職業安定法の第4条に該当します。
採用代行を活用するメリットとデメリット
採用代行を活用するメリットとデメリットを紹介します。
- メリットは工数削減や効率化を進めやすいこと
- デメリットはノウハウの蓄積ができないこと
それぞれのサービスのメリットとデメリットを理解すれば、どちらのサービスが適しているのか選択ができるでしょう。
メリット:工数削減や効率化を進めやすい
採用代行を活用するメリットは、採用に関する工数を削減できる点です。採用担当者は新卒・中途採用ともに、コア業務・ノンコア業務の両方で業務量の多い状況が続きます。
採用代行を利用すると、ノンコア業務を採用代行に依頼し時間を軽減できます。そのぶんコア業務に専念でき採用工数を削減できるでしょう。
合同説明会やセミナーなどの、新卒・中途採用ふくめて母集団形成に必要な業務に専念できるのは魅力です。選考や内定者へのフォローアップにも時間をかけられるので、効率的に採用活動を進められるでしょう。
デメリット:ノウハウの蓄積ができない
採用代行を活用するデメリットを解説します。採用代行を依頼すると、業務の一部もしくは大半を代行してもらえます。業務効率化は図れますが、採用ノウハウが蓄積できないのはデメリットです。
採用したい人物像を正しく伝えられず認識の食い違って起きる、人材のミスマッチもゼロではありません。応募者の選定まで代行を依頼した場合、内定者とのコミュニケーション不足に陥る場合もあるでしょう。
内定者にとって企業側のフォローが不足していると感じてしまうと、内定辞退や早期退職につながってしまいます。
人材紹介を活用するメリットとデメリット
人材紹介を活用するメリットとデメリットも紹介します。メリットとデメリットを知れば、採用代行との違いを正しく理解できるでしょう。
- メリットは費用面でのリスクが少ないところ
- デメリットは採用ポジションによりコスト増になるところ
採用代行とは異なっている点も、見ていきましょう。
メリット:費用面でのリスクが少ない
人材紹介を活用するメリットは、初期投資が少なく済ませられるところです。人材紹介は採用代行とは異なり、採用が成功してから手数料の支払いが発生します。採用の有無で追加費用が発生しないため、コスト増加のリスクが少ないのはメリットでしょう。
採用依頼が希望する人材を紹介してもらい、業務負担を軽減できるのもメリットです。自社で採用活動をすると、希望する人材ではない方の応募もあるため選考に時間を要します。
また、人材紹介の場合、採用条件を公開せずに採用活動を行えるのもメリットでしょう。
デメリット:採用ポジションによりコスト増になる
人材紹介を活用するデメリットは、採用後にあります。採用代行は採用に関する業務を代行で請け負うため、人材を紹介しません。働きたい方を紹介するのは、人材紹介や人材派遣に関する会社のみです。
企業側が求める条件に適した人材を紹介するため、1人あたりの採用単価は高まります。専門的なスキルを有するなどの採用ポジションによっては、さらにコストが高額になるでしょう。なお、人材紹介では、採用成功で年収の30〜35%前後の成功報酬を支払う必要があります。
また、人材紹介を通じて採用に成功したとしても成功要因が分析できないのも懸念すべきデメリットです。社内に採用成功のためのノウハウを蓄積できないため、採用担当の人材が育ちません。
採用代行と人材紹介の選び方とは
企業が抱える採用の課題により、採用代行と人材紹介のどちらが適切なのかは異なります。それぞれのサービスの利用に適している企業の特徴を紹介します。
- 採用代行に適した企業の特徴
- 人材紹介に適した企業の特徴
企業にとってどちらのサービスが最適なのか、判断は分かれるでしょう。どちらのサービスを利用するか選ぶ際の参考にしてください。
採用代行に適した企業の特徴
採用代行の活用に向いている企業の特徴を紹介します。主な特徴は次のとおりです。
- 人事担当の人数が少なくリソースが不足している
- ノンコア業務の対応に追われてる
- そもそもの採用力に課題がある
人員不足なのは繁忙期のみであれば採用代行を活用するメリットが高まります。人員不足の場合は募集方法の選定や、母集団形成やエントリー対応などのノンコア業務のみ代行を依頼しましょう。そうすれば、コア業務に専念できます。
採用担当はいるものの実力に課題がある場合は、実績のある採用代行に依頼するのも一つの方法です。
人材紹介に適した企業の特徴
人材紹介の活用に向いている企業の特徴を紹介します。主な特徴は次のとおりです。
- 欠員補充などで採用が急務の場合
- 専門スキルが必要な職種
- 人材の質を重視したい
欠員補充が必要な場合、人材紹介を活用するのが適しています。高度専門スキルを所持していたり、経験の豊富な人材を集めたかったりする場合にも人材紹介がぴったりです。
企業側が求める人物像を知らせれば、素早く希望に沿った人材を紹介してもらえる強みが人材紹介にはあります。ミスマッチを防ぎつつハイスキルな人材を確保したいなら、人材紹介をぜひ選んでください。
まとめ
採用代行と人材紹介の違いについて解説しました。それぞれのサービスにはメリットとデメリットがあります。採用に関する課題に適したサービスを活用することで、優秀な人材の獲得や採用強化を図ることができます。
採用について課題を感じている担当者は、ぜひ本記事を参考にして優秀な人材を獲得し成功につなげましょう。
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