通年採用とは?新卒採用との違いや効果的な採用方法を解説
新卒採用で成果が得られないので、通年採用したいが採用が成功する秘訣は?」
「すでに通年採用を導入している企業の事例があれば参考になるかも?」
有効求人倍率の上昇にともない、新卒の採用人数が当初予定していた人員に満たないと悩む採用担当者が増えています。
新卒採用も活動しつつ通年採用も検討している方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、通年採用のメリットやデメリットを紹介し、すでに導入している大手企業の実例を紹介します。
これから採用を行いたい企業の採用担当者は、このシステムを導入して採用を強化しましょう。
通年採用とは?導入する目的を紹介
通年採用は企業が通年で採用に関する活動を行う事です。
新卒採用は採用開始と内定の時期が決められているため、採用を行える期間が限定されるデメリットがあります。
この採用方法を取り入れると採用期間を長く設定できるだけでなく、人材を幅広く採用できるでしょう。
企業が通年採用を取り入れる目的は次の2点が考えられます。
- 秋大学の大学生も受け入れ可能にできる
- さまざまな人材を幅広く採用できる
それぞれ見ていきましょう。
1.秋入学の大学生も受け入れ可能にできる
通年採用を導入すると、秋に入学式を行った大学生の受け入れも可能になります。
新卒採用だと3月卒業生に合わせて採用スケジュールが組まれているので、秋入学の大学生は採用対象に含まれません。
留学する学生もいるため秋入学制度をとりいれる大学は、日本国内でもも増えてきました。
海外から日本に帰国して受験可能な帰国子女枠受験が可能な大学もあります。
以下で一部抜粋して表にまとめたので、参考にしてください。
英語理解力の高い9月入学の学生を獲得できる可能性が高まるため、必要に応じこのシステムを利用しましょう。
2.さまざまな人材を幅広く採用できる
新卒の学生の人数が減少しており、新卒採用を一括で行うだけでは採用人数を確保できない状況が続いています。
新卒の学生以外に通年採用可能な人材は、次の通りです。
新卒だけでなく、第二新卒や中途採用など幅広い人材にアプローチが可能になるためぜひ利用を検討してください。
通年採用を導入する企業は年々増えている
従来、日本の雇用は指導や研修を元に教育を受けて部署異動があり、入社した新入社員には仕事をつけるメンバーシップ型雇用が主流でした。
それに対して欧米で主流のジョブ型雇用は、仕事に対して人を付ける雇用方法です。
近年ではジョブ型雇用を採用する企業も増えているため、新卒採用だけでなく通年採用を導入する企業が年々増えています。
職白書2022 | 就職みらい研究所によると、2022年度でこの採用システムを実施したのは25.5%と前年より1.3%増加傾向にありました。
通年採用と新卒採用の違い
新卒採用は企業説明会の告知は3月1日に解禁され、6月1日過ぎから採用選考を開始、内定日は10月1日以降に行います。
これは海外では一般的な採用方法で、一年を通じて採用活動をするのが特徴です。
ここでは、通年採用と新卒採用は何が違うのか解説します。
通年採用|いつでも採用できるため人員補完が楽
通年採用は1年中活動するため、内定辞退者がでても人員を補完できます。
年々新卒者は減少している傾向にあるため、幅広い人材を採用する必要性が増している傾向にあります。
この採用システムを導入すると、次のような人材を獲得できます。
- 留学経験のある学生や帰国子女
- 新卒で一度就職したものの1~3年以内に退職している第二新卒
- 中途採用
第二新卒は社会人経験があるため、新卒採用に比べて教育コストが軽減されるのも魅力的です。
グローバルに対応する人材を採用したり、即戦力になる中途採用の獲得にもつながります。
新卒採用|中小企業でもよい人材が集めやすい
新卒採用は、経団連が定めた就活ルールにより学業に支障がでないように採用活動の日程が定められたため出来た採用方法です。
新卒採用の活動期間は3〜7月ぐらいまでのため、活動期間を一定期間に絞れます。
しかし内定を決定した後に辞退されてしまうと、すでに採用期間が終了しているので、新しい人材を獲得できません。
中小企業の場合、新卒採用だと大企業との間で優秀な人材の取り合いになってしまいなかなか人材を確保できないデメリットもあります。
導入すると常に採用活動ができるため、中小企業でも優秀な人材を集めるチャンスに恵まれるでしょう。
通年採用のメリットとデメリット
通年採用は導入するメリットとデメリットがあります。
ここでは自社でこの採用システムを導入するときのメリット・デメリットを解説しました。
メリット・デメリットのどちらが自社に大きいかを判断し、どの採用システムを取り入れるかを決めてください。
メリット|人員補給が楽になる
通年採用のメリットは、3つあります。
- 内定辞退などに対する人員補填が楽になる
- 優秀な人材を確保できる
- 第二新卒や中途採用まで幅広い人材を獲得できる
新卒採用で同時期に一括採用の場合、内定を辞退されてしまうと人員を補充できずに終わります。
また、新卒採用は、経団連が学業の妨げにならないように就活時期を定めたものです。外資系企業や海外企業はもともと通年採用なので、優秀な人材は外資系企業にとられてしまう状況でした。
留学経験のあるグローバルな人材や、第二新卒や中途採用者も含めて幅広い人材を採用できるのが、この採用システムのメリットといえるでしょう。
デメリット|コストや研修に問題が発生する
通年採用を導入するデメリットは2つ挙げられます。
- 入社日がバラバラなので教育研修が難しい
- 求人広告の掲載など通年で採用活動のコストが発生する
人員補充が楽になるメリットもありますが、求職者が応募して入社する日がバラバラになるのはデメリットです。
新卒採用だと研修は一括で行えますが、通年採用では一人ずつ教育をしなければなりません。
求職者の経験やスキルもバラバラなので、常に指導内容を変えなくてはならない点もデメリットといえます。
定期的に求人広告の内容を変更して掲載するコストが通年で発生するのも、この採用システムのデメリットでしょう。
通年採用を取り入れている企業実例
通年採用を導入している企業がどのような選考基準や概要を掲載しているかを、ここでは紹介します。
上記3社のような大手企業もこの採用システムを取り入れ、豊富な人材を確保しているのが現状です。
通年採用を成功させるための採用方法
通年採用を成功させるためには、学生の動きを把握した活動を行うのが重要です。
大手企業では毎年導入しているケースもあるので、中小企業はタイミングを逃さないようさっそく採用活動を始めましょう。
最近では優秀な人材を獲得するため、ダイレクトリクルーティングやSNSリクルーティングも活用されています。
求人サイトの調査情報やSNSで就活生の投稿をチェックしながら、上手に採用活動を進めましょう。
まとめ
通年採用は大手企業を中心に、導入している企業は増えています。
入学や卒業が日本国内とは異なる海外に留学経験のある学生や、外国からの留学生の採用を強化できるメリットがあるからです。
とはいえ、1年を通じて採用活動を行うので新卒採用に比べて、コストが多く発生するのはデメリットです。
採用した人材の教育も、それぞれに合わせ別々に行わなくてはなりません。
新卒採用の競争は近年ますます厳しくなっています。
豊富な人材を揃えたい方は、通年採用を導入する体制を整え人材不足を解消しましょう。