お役立ちコラム

自己分析でキャリアアンカーを活用する方法は?注意点も解説

キャリアアンカーを活用すれば、キャリアパスの軸が持てます。

基本的にキャリアアンカーは変化せず、経験の蓄積で理解が深まるにつれて、明確となるものです。そのため、キャリアアンカーの理解は、その社員に合った配属先を選べるようになるのに欠かせません。

採用における重要事項であり、うまく人材を選ぶために必要です。キャリアアンカーを確認して、人材を採用すれば、退職率を下げられるでしょう。

本記事では、キャリアアンカーの種類や企業での活用方法を解説します。

 

自己分析がよく望まれるキャリアアンカーとは?

キャリアアンカーとは、MITのエドガー・H.シャイン教授(組織心理学者)が提唱しているキャリア形成の概念です。仕事をする上でこれだけは譲れない、物事の価値観や欲求を指します。

進むべき道を探したり自分のキャリアパスを形成したりする時に、キャリアアンカーは最も大切です。キャリアアンカーのしっかりしている人材は芯がしっかり通っているため、企業でも活躍しやすい傾向にあります。

望むキャリアビジョンもはっきりしているため、教育方針や役割の与え方もわかりやすい人材といえるでしょう。

 

求職者における自己分析可能なキャリアアンカーの種類

求職者のキャリアアンカーを見れば、その人材のカテゴリーを分けられます。ここでは、8つのカテゴリーに分けて、求職者のキャリアアンカーを紹介します。

トータルで高い統率力・スキルを持つ管理職

管理職や経営者などをキャリアアンカーにする人材は、組織を率いる統率力を持っている傾向が高いです。管理職タイプには、以下の特徴があります。

  • 承認欲求が強く地位や出世を求める
  • 負けず嫌いで業務へ熱心に取り組む
  • 責任感があり積極的に仕事を引き受ける
  • 知見は幅広く得たいジェネラリスト思考

このタイプは仕事に対する意欲が高いです。さまざまな業務を任せて、成長させていくキャリアビジョンを期待できます。長期的に教育したい社員を採用する際には、このキャリアアンカーを持っているか確認して、採用を行いましょう。

専門分野に強く特価スキルを持つ人材

専門型キャリアアンカーの人材には、以下の特徴があります。

  • 自分の好きな技術を身に着けるのに喜びを感じる
  • 得意分野以外には興味を持ちにくいスペシャリスト気質
  • 特化分野での現場仕事を望む
  • 異動に弱く職場でのモチベーションが下がりやすい

何かの分野に秀でており、エキスパートを目指しているのが特化型の人材です。専門型は癖が強く万能人材としては扱いにくい傾向にあります。

しかし、特定の現場での業務遂行力は抜群です。活躍させる場を選んで採用すれば、能力を存分に発揮するでしょう。

自律や独立に向けて進む人材

自分の考えのみで仕事のペースややり方を決めて進めたい人材も、キャリアアンカーで判別できます。特徴は以下の3つです。

  • 集団行動が苦手
  • ルールのある業務を嫌う
  • 自分のペースでしか仕事をしない

このタイプは専門型に似ていますが、必ずしも特定分野に対し知見を持っているわけではありません。しかし、ルールを自分で作って成果を挙げるのが目的の職場では活躍できます。

成果を出せば仕事のやり方は問わない作業に従事させる、自主性の高い人材を採用したいなら自律型はぴったりです。

保証や安定を求める人材

出世やキャリアアップに興味がなく、安定して職と給与を得るのを希望するキャリアアンカーの人材もいます。特徴は、以下の4つです。

  • 面接の際に出世へ興味を示さない
  • 異動や配置変更のある職場を嫌う
  • リスクの高い仕事に興味を示さない
  • 雇用に安定性を求める

最近増えている考え方で、あまり成長は期待できない人材といえます。しかし、転職して会社を離れる可能性も少ないため退職リスクは非常に低いです。

起業家的想像を持つ人材

人と異なるものを生み出すのに喜びを感じる、クリエイティブな人材です。固定概念よりも新たな発明を生み出すのを好むため、癖が強いといえます。特徴は以下の通りです。

  • リスクのある仕事でも恐れず取り組む
  • 新しいものを想像するのに喜びを感じる
  • 固定概念に縛られるのを嫌う
  • 独立希望者が多く退職リスクが高い

自分の価値観・やり方にこだわりがあるため、新しいプロジェクトを指揮する役割などに従事させれば、自主性を発揮します。

奉仕や社会貢献を優先する人材

自分の昇進や給与アップよりも、会社・社会への貢献に喜びを感じる人材もいます。特徴は以下の通りです。

  • 人の役に立つのを好む
  • 頼られることに喜びを感じる
  • 自分よりも他人本位で行動する

誰かを喜ばせることを何より重視するため、商品開発などに向いています。どうすれば顧客が喜ぶかを追求し、ニーズを満たす商品やサービスを作り出せるでしょう。

純粋な挑戦を望む人材

挑戦することに喜びを見出だしている、向上心が高い人材です。特徴は主に3つあります。

  • 解決困難なシチュエーションであるほどやる気を出す
  • 負けられないライバルがいるとモチベーションが増す
  • 課題を提示されると真摯に取り組み解決策を見出だす

失敗できないシチュエーションでも緊張せず取り組み、ライバルとも切磋琢磨できる人材といえます。大一番が多かったり、競ってお互いを高め合う部署にぴったりの人材です。

生活様式を重視する人材

現代社会においてプライベートを重視し、自らのライフスタイル構築を優先させたいと考える人材です。このタイプの人材には、以下の特徴があります。

  • 残業や休日出勤を好まない
  • 結婚や出産などの大きなライフイベントを予定している
  • 在宅勤務などのフレキシブルな勤務形態を希望する

仕事より自身や子どもを優先するため、すべてをかけて仕事に取り組むことはありません。なお、このタイプは有給や育休について、面接で訪ねてくる可能性が高い傾向にあります。

 

自己分析を推奨しよう!キャリアアンカー活用のポイント

企業面接時はもちろん、入社した社員にも自己分析を推奨すれば、以下3つのポイントに関するメリットが得られます。

  • 配属や異動
  • 新入社員研修のガイダンス
  • 育成研修

続けて、各ポイントを詳しく解説します。

配属や異動

採用した従業員の配属や異動にも、キャリアアンカーは活用できます。キャリアアンカーに合わせて人事異動すれば、従業員からの不満を少なくできます。

異動に強く向上心が高い性質を持っている人材は、異動や競争の多い部署に配置するとよいでしょう。反対に、安定した給与や立場を望んでいる人材は、競争や異動のない場所に配置してください。

新入社員研修のガイダンス

キャリアアンカーは、新入社員の研修ガイダンスにも活用できます。ガイダンスでキャリアアンカーの設定をさせれば、仕事をするうえでの芯を形成できるからです。

過去の職務経験や、組織のニーズについても同時に考えさせましょう。自分の得意な分野や組織が必要とする人材を確認させれば、よりキャリアアンカーを形成させやすくなります。

育成研修

社員の育成する研修にも、キャリアアンカーは役立ちます。自分が譲れないポイントをしっかり持たせれば、仕事に対する目標や伸ばすべきスキルを理解させられます。

新人研修はもちろん、中堅社員の強化研修にもキャリアアンカーは役立ちます。業務に追われて、自分の目標を見失っている社員にキャリアアンカー形成を促せば、モチベーションの向上を期待できるでしょう。

 

求職者の自己分析にキャリアアンカーを活用する注意点

キャリアアンカーのチェックを活用する際に注意したいポイントを、ここでは解説します。注意点を把握して、正しくキャリアアンカーを採用に生かしましょう。

 どのタイプが良い・悪いというわけではない

キャリアアンカーは、あくまで求職者の価値観です。良し悪しはありません。面接の際にはキャリアアンカーを否定せず、人材のスキルや性格を見て採用してください。

キャリアアンカーは、採用人材を適切な場所に配属するための目安です。人を育てて、活躍させるための指標と考えましょう。

社内で一人ひとりの強みとして社内で共有する

採用担当のみが人材のキャリアアンカーを把握しているだけでは、社内全体に人材の情報は伝わりません。共有シートなどを活用し、上層部全体に人材の特徴が行き渡るよう工夫してください。

採用後には、社員の強みを同期社員や上司に伝えるため、交流を兼ねたオリエンテーションを行うのもよいでしょう。

 

まとめ

キャリアアンカーのチェックや形成は、採用に関する知識やスキルが蓄積していないと難しいです。

人材紹介サービスを活用すれば、転職エージェントが求職者の自己分析をサポートしてくれます。人材紹介を検討するなら、採用の窓口にぜひご相談ください。中途採用・新卒採用いずれにも対応し、専任担当制で手厚いフォローを実施しています。

採用の窓口はこちら

 

 

関連記事